開催にあたって

橋の下世界音楽祭へ
お越しの皆様へ
 橋の下は電力も自家発電しておりますので、一般のイベントに比べ暗いです。祭りを楽しむ為にもヘッドライト、懐中電灯、ランタンなどの灯り、その他サバイバルグッズを皆さん各自持参する事をお勧め致します。
 橋の下にはもともと何にもありません。橋の下世界音楽祭というのは何も無い橋の下で穴だらけの我々人間が自分等の観たい世界や希望を各自が描き、自分に出来る事をしながら、挑戦してみたり、またそこで英気を養ったり学んだり交流したりしながら、唄い、踊り、地を固め、命と魂を洗濯し、また日常生活へと繋げていく”再生の祭り”なのだと考えております。。
 出店者、出演者の皆さんはじめ、参加者の皆さんにも、一般的な”イベント”とは異なり、勝手の違いや、不備なども多々あり戸惑いや不満も多かれ少なかれ毎年各自あるかとも思いますが、少しづつ関係者、お客さん含め祭り自体が生命のように年々成長、進化してきているのも実感しとります。こちらの電力に頼らずバッテリー持参の自家発電で灯りを灯して自立していくお店も年々増えていってますが、これって最高に”かっこいい”事だと思います。停電、電気トラブル、駐車場なんかも出店者、お客さん皆様の協力体制や助け合いのおかげでなんとか大きな事故やトラブルも無くホンっっトにギリっギリですが成り立っております。。この規模、多種多様な来場者の割にはマニュアルや過剰なルール、沢山の警備員や、警察見回り所なども””今のとこ””設けずなんとか自治して来れているのも橋の下ならではの奇跡だとも思います。奇跡の連続でありますが、この奇跡が俺たちには日常的に必要なのだと思います。

橋の下の
電力についての話し

 毎年撤収時になると太陽光パネルがかなりの数割れています。足跡がついていて、意図的に割ったのか、酔っぱらって暗闇に迷い込み踏んでしまったのか、中には子供の足跡も。形あるものはいずれ壊れるものなので多少の物損はこれだけ人が集まればやむおえない事とは思いますが、やはり思いのこもったものなのでもの凄い悲しい気持ちになります。
 現在橋の下世界音楽祭は約400枚のソーラーパネルとオフグリッドシステム”Personal Energy”によって電気を作り、ステージから、出店から提灯などなど全ての電力をまかなっています。なんでこんな事が出来るのか?と、大抵の方が疑問に思うと思います。単純にお金もかかります。機材すべての運搬費用や機器すべてで言ったら太陽光発電などに興味のある無い問わず大変な事くらいは想像もつくのではないかと思います。
 ”Personal Energy”と言うのは神戸の慧通信技術工業と言う小さな会社の社長であり”Personal Energy”の産みの親である粟田さんの作った独立電源システムであり、阪神大震災で 自ら被災した経験と様々な想いから開発を始め、研究と実験を繰り返し東北の大震災後ひとつの形として完成した現在進行形の製品です。要はソーラーパネルから吸収した太陽光のエネルギーを”Personal Energy”と言う変電所に取り込み、安定した電気に精製して蓄電し電気を分配する個人向けの発電所みたいなもんです。  余談ですが、その昔は大型で、高価な為、個人向けに不向きであったコンピューターが小型に開発され普及し個人所有できるようになったのが”Personal Computer/パソコン”であるように、個人向けの発電所と言う具合で”Personal Energy”なんだと話していたのを覚えています。  とは言うもののまだまだ簡単に一般人に手の届くような代物では無いのですが、それがなんで橋の下で。。って。。
 タートルや橋の下なんかの活動にも元々興味を持っていてくれた粟田さんとは、仲間のNOBさんに紹介され2012年頃神戸に会いに行き酒を酌み交わした事がきっかけに意気投合しました。そもそも当たり前なのですが東北の震災後、電力や燃料、モノ、命、いや、この世のすべてのものには限りがあるのだと言う事を多くの人があの時感じた事と思います。ならばその限られているモノやエネルギー、すなわちこの生命をどこに向けて使うのかと言う事を考えました。この世の中不条理な事は沢山ありますが、姿を現さない敵と戦うのもエネルギーがもったいない。ならば矛先を自分等に変えて自分等の望む物を自分等で創りだしていく事をしようと。皆が笑っている事や命が燃え上がってやる気に満ちあふれる事より勝る抵抗はないなと感じました。でもって橋の下の祭りを国の助成金みたいな、皆から集めた血税や電力会社の電力を使わずに自治したい。自治した上で更に、国や行政など、自分と価値観の違うんなと思う人々に文句タラタラ言うだけみたいなのはもうやめて単純に自分等は自分等で良いと思う事だけやったろうと。わからん人にわからんのか!ってのも酷な話しだし、自分等だけが必ずしも正しい訳でもあるまいしだろうし、ひとまずやるんだ。ここまで出来るんだぞ!人間をなめるなよと。自分に訴える。そんなこんなの想いを馳せワサワサしながら、橋の下やタートルのやりたい事など話しているうちに「なんてバカな奴らだ!よし!橋の下を太陽光のオフグリッドでやろう!」と、粟田さんの一声で橋の下オフグリッド自治が始まりました。が、口で言うのと実際にやってみるのとでは雲泥の差。そして更に「どうせやるなら協賛なんて形でなくて電力担当としてタートルアイランドのメンバーにしてくれ!!」、「そうきましたかい!よっしゃ!やりましょうよ!」てな塩梅で粟田さんはわざわざイバラと砂埃の道に。後日談ですが、この結果、そんなバカな事する会社とはと、親会社からは距離を置かれ、一銭の金にもなりゃぁしないし、、この時点で俺らも「なんてバカヤロウな人なんだ」と思いました。(笑)そして、もちろん粟田さんにとっても初めての試み。もちろん電気ド素人の俺たちにとっても。細かい話しは割愛しますが、何度もやめようか話し合いもしたし、言いたい事も言い合ったし、想像以上に大変だったのは言うまでもありませんが、楽しい祭りの裏側は本当に毎度毎度ギリギリで橋の下電力 太陽組の皆さんや関係者が四六時中走り回ってます。
 鳥取にあるPersonal Energyの組み立て工場では祭り前には睡眠を削りPersonal Energyを組み立てたり整備したり、祭りが終われば精密機器に積もった大量の砂埃を掃除してまた整備してくれています。勘違いされやすいので先に言いますが、決して”金儲けが悪いと言う事では全く無い”事を前提に、”金儲けしか頭に無い人達”にはこの一連の行動自体が到底理解できない事だろうとも思います。。なぜなら、このご時世”橋の下は”すべて”心意気”で成り立っております。。これは他のぬ組、大工やボランティア皆同じでして中には祭りの為に大きな仕事を蹴ったり、祭りの翌月は皆、収入がガクッと減り苦しいのも皆同じ。でも年に一度、俺たちは皆、金なんかよりも大きなものを毎年手に入れ身に纏います。そんなこんなで毎年成長と進化を続ける”Personal Energy”と”橋の下”。震災後、太陽光で発電するイベントは急激に増えましたが、この規模の祭りの全電力をバックアップ電源無しのガチンコでやってるのも橋の下だけなんじゃないでしょうか。もちろんバックアップ電源取るのが悪いわけでもありませんし、何かと張り合ってるつもりも毛頭ありません。ただ、橋の下でやりたい事ってのは、太陽光でイベントを成功させよう!みたいな事では無いのです。もちろん成功した方がいいのですが。そう言う事ではなく皆ともよく話していますが、やはり”限りがある”と言う事を明確に感じたり、その限りをどう有効に使い、分け合うのか、はたまた”足り無いって事をどう豊かに捉え、それとどう一緒に踊るのか”とか、そして対面する何かに対して取る行動では無くて、自分等個人がどうしたいのか、どんな世界が見たいのかと言う事なんだと思います。
 そういう事なので、橋の下世界音楽祭は原発云々、環境云々、はたまた”成功”と言うものを求めて太陽光発電や祭りをしてる訳ではなく、もっともっと手前の事から命が輝きだすような事を望み祭りを創っております。こんな野暮ったい事を話す自体もPersonal Energyサイドも誰も望んではいないと思うから、どうなのかとも悩みましたが、やはり橋の下がどういう風に成り立っているのかってことはやはりなるべく多くの人に理解してもらった上で祭りを存続していきたいと考え5年目を迎える前にこんな事を書かせてもらいました。店に並ぶ調理された美味しい肉がどういう経緯と思いや犠牲で自分の口に入るかを想像する人が少ないように、当たり前に楽しい祭りが沢山の人の心意気や培って来た努力や生活の上に成り立っているのをなるべく多くの人が理解してくれると更に祭りが只のイベントでなく本物の”祭り”になっていくのではないかと思います。
 三千世界の片隅、砂埃が舞うこの橋の下の舟底に集まった人々に、自分らに、それぞれ何が出来るのか。そこに何が生まれるのか。ひとつにならずともひとつのこの皿の上で皆さんとこの命の祭りを創り上げ、共有出来る事を歓喜しております。。ともかく皆さん存分に自分の命を噛み締めてってください。よろしくお願いします!!
橋の下世界音楽祭一同
代表 永山愛樹(TURTLE ISLAND/ALKDO)

会場
豊田大橋の下について

元来この国では橋の下は、歌舞伎や芝居、大道芸、見せ物といった大衆の娯楽や、情報交換、発表、交流の場所だったように思います。今でも沢山の人が無差別に集まり酒を飲んだり遊んだり、音楽をしたり誰にも執拗に管理される事も無く、自由でありながら自然と秩序のとれた奇跡的な場所に思います。 そこで何も無い橋の下の土の上で"ゼロ"から祭りを創りだす事に意義を感じています。

運営について

いろんな人々、特に子供達に生きた音楽やアート、また土着文化など、根のある音楽やアートに生で触れ体験して貰いたく、財政的には非常に厳しいのですが、目的を優先させ、"入場無料"として間口を広げる事にしました。

運営に関しましては、協賛と物販、出店料の他に会場にて"祭り協力金"(二千円以上、手ぬぐい付き)としてカンパを募り開催するという運びでやらせて頂く事にしました。

まずは自分達の住む国や街が表面上だけでなく、本当の意味での"豊か"な場所になって行く事を僕らは切に願っています。その為に自分達の意思表示として、この音楽祭第5回目を開催したいと思います。

この内容をご理解頂き賛同してもいいと思われた方はどうぞご支援ご協力のほどを、宜しくお願い致します。

火付け ぬ組 / microAction / TURTLE ISLAND

会場での注意事項

  • 持ち込んだゴミは各自持ち帰るようお願いします。
  • 飲食物のゴミは買った店にて返却ください。
  • 会場は橋の下ですので多少日陰はできますが、日中まだまだ熱いと思われます上、沢山の来場者も見込まれ開催時間も長いので、タープテント、敷物、折り畳みイス等各自でご用意し、休憩基地 等各自用意することをおすすめします。